人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られる【イグノーベル賞】の今年の受賞者が発表されました。
毎年、10組に贈られるイグノーベル賞の栄養学賞に東京大学の中村裕美特任准教授と明治大学の宮下芳明教授が選ばれ、これで日本の研究者が17年連続で受賞となります。
そもそもイグノーベル賞とはどんな賞なのか?東京大学の中村裕美特任准教授と明治大学の宮下芳明教授のプロフィールや微弱電気で味覚変化の研究とは?などを調べました。
イグノーベル賞
【イグノーベル賞】は、マーク・エイブラハムズによって1991年に創設された。彼はイスラエルの科学関係の雑誌「The Journal of Irreproducible Results」の編集者でした。
イグノーベルは造語で、ノーベル賞の創設者ノーベルに否定を表すIgを加えて、英語のignoble(形容詞)にかけたもので、ignobleとは「恥ずべき、不誠実」といった意味です。
ダイナマイトの発明で知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に従って創られたノーベル賞のパロディーとして創設されたのが【イグノーベル賞】です。
※ノーベル賞とイグノーベル賞のW受賞者は過去でただ一人
アンドレ・ガイム博士(オランダ人の物理学者)
2000年に「カエルの磁器浮上」でイグノーベル賞を受賞。
2010年に「炭素新素材グラフェンに関する革命的実験」でノーベル賞を」受賞。
授賞式
【イグノーベル賞】の授賞式はとてもユニークです。
・受賞者の旅費と滞在費は自己負担。
・授賞式の公演では聴衆から笑いをとることが求められる。
・受賞者は1本の長いロープにつかまって一列になり壇上に上がる。
受賞者たちは1本の長いロープ紐を握って一列になって壇上に上がります。引率
される幼稚園児を真似たパロディのようです。
・スウェーデン風ミートボール(スウェーデンの郷土料理)に敬意を払う。
(ノーベル賞ではスウェーデン王室に敬意を払う)
2019年までは、米国ハーバード大学のサンダーズ・シアターで行われていた授賞式は新型コロナウィルス感染症の流行の影響で、2020年以降はオンラインで授与されています。
イグノーベル賞 過去のユニークな日本人受賞者
1997年 | 経済学賞 | 「たまごっち」により、数百万人分の労働時間うぃ仮想ペットの飼育に費やさせたことに対して。 | 横井昭裕・真板亜紀 |
1999年 | 化学賞 | 夫のパンツに吹きかけることで浮気を発見できるスプレー「Sチェック」を開発した功績に対して。 | 牧野武 |
2004年 | 平和賞 | 「カラオケを発明し、人々が互いに寛容になる新しい手段を提供した」業績に対して。 | 井上大佑 |
2007年 | 化学賞 | ウシの排泄物からバニラの香り成分「バ二リン」を抽出した研究に対して。 | 山本麻由 |
2020年 | 音響学賞 | へリウムガスうぃ使うとワニのうなり声も高くなる(ドナルドダック効果)ことを発見したことに対して。 | 西村剛 |
2023年イグノーベル賞微弱電気で味覚変化
「味」を変える箸にイグ・ノーベル賞 舌に流れる電気が食卓に革命? https://t.co/3dcTGCAjWL
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) September 14, 2023
人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られるイグ・ノーベル賞の栄養学賞に、東京大の中村裕美特任准教授と明治大の宮下芳明教授が輝いた。日本人の受賞は17年連続。
2023年の【イグノーベル賞】、栄養学賞受賞の東京大学の中村裕美特任准教授と明治大学の宮下芳明教授。
受賞が対象となった研究は論文「Augmented Gustation using Electricity」に対するもので、微弱な電流を流すストロー・箸・フォークによって飲み物や食べ物の味に変化が出ることを確認して、発表しました。
東京大学の中村裕美特任准教授
光栄なことに、イグノーベル賞(栄養学)をいただきました。
— Hiromi Nakamura (@apapababy) September 15, 2023
ひとえに皆様のご支援・ご協力の賜物です、感謝申し上げます!
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。 https://t.co/BRgcTG04tx
名前:中村裕美(なかむらひろみ)
出身地:京都府京都市
生年月日:1986年9月14日
出身校:日本大学芸術学部芸術学科 卒業
明治大学理工学研究新領域創造専攻 博士
明治大学の宮下芳明教授
イグ・ノーベル賞(栄養学)を受賞しました!
— 宮下芳明 Homei Miyashita (Professor, Meiji University) (@HomeiMiyashita) September 14, 2023
皆様の応援・ご支援のおかげだと思っています。
あらためて感謝申し上げます。https://t.co/SGPl9AHdOB #IgNobel #イグノーベル賞 #イグ・ノーベル賞 pic.twitter.com/GkdeTFt2OD
イグノーベル賞受賞は微弱電気で味覚変化?日本の研究者が17年連続で受賞 まとめ
1991年の創設以来、【イグノーベル賞】にイギリスとともに常連国になっている日本。創設者のエイブラハムズは過去のインタビューで以下のように述べています。
世界の大半の国では、変わった行動をすることは悪いことと思われます。そういう評判がついてしまうと、罰せられることだってあります。しかし、日本とイギリスは伝統的に違う。
日本には変わった人が多いです。変わった人が1人いると隣近所は快く思わないかもしれない。でも、他の皆さんはそれを誇りに思うんです。『変わった人は、我々みんなの変わった人だ』と。
だから、日本とイギリスでは、長い発明をしてこられたと思うんです。素晴らしいクレイジーに見えるものを壊さずに生かし、重宝してきたんです」
FNNプライムオンラインより
日本人としてとても懐かしく親近感がある「たまごっち」をはじめ、「カラオケ」なども過去に受賞したユニークな【イグノーベル賞】。これからも注目していきたいと思います。